犬の歴史

私たちがペットとして飼っている犬の祖先はオオカミだとよく耳にします。
犬は生物学的にはイエイヌと呼ばれ、タイリクオオカミと呼ばれる動物の亜種に分類されています。

その先祖を遡るとイヌ、ネコ、アシカなどの共通の祖先であるミアキスという小型の肉食動物に辿り着くことが分かっています。
ではミアキスからどのような系譜を辿ってイエイヌへと進化したのでしょうか。

そこで今回は犬が人に飼われるまでの進化の歴史について解説します。

わんこ ポイント

ワンちゃんがどんな風に人間に飼われるようになったのか‥犬の進化の歴史をひも解いてみよう!

犬の進化の歴史を辿ってみよう!

犬のご先祖様は「ミアキス」

ミアキス
出典:wikipedia

およそ5600万~3800万年前に生息していたミアキスという小型肉食動物は、現代に生きるイヌ、ネコ、アシカなど食肉目の祖先とされています。

体長はおよそ30cmで胴が長くスラリとしていて、長い尻尾と短い脚を持ち、イタチのような見た目だったと考えられています。

この時代は地上をヒアエノドンなどの大型肉食獣が闊歩していたため、ミアキスのような小型で新参の動物はもっぱら樹上で生活していました。
その生態は現代で言うところのテンのようであり、鳥類や爬虫類などを捕食していたとされています。

わんこ がんばれ

犬も猫も元をたどるとミアキスから進化した動物なんだね!

ミアキスからキノディクティスへ

ミアキスから進化したのがおよそ3720万~2840万年前に生息していたキノディクティスです。

長い鼻口部と平べったい体型が特徴で、体長はミアキスは同程度のおよそ30cmの小型肉食獣でした。

足が早く穴掘りが得意とし、動物の死骸から肉を切り取る列肉歯と呼ばれる歯が発達し、さながら現代のハイエナのようでした
俊敏な動きで獲物を追いかけて捕らえるだけでなく、巣穴に逃げ込んだところを掘り返して捕らえていたと考えられています。

ミアキスが樹上で生活していたのに対して、キノディクティスは草木が生い茂った平原に生息し、必要に応じて木に登っていたと推定されています。

キノディクティスからキノデスムスへ

およそ2400万~2000万年前に生息していた体長約1メートルほどの肉食動物で、ミアキスやキノディクティスの倍以上の大きさに進化しました。

見た目は現代のコヨーテに似ていたと考えられていて、細長い頭とスラリと長い臀部と尻尾が特徴で、その体型から走るのはあまり得意ではなかったと考えられています。

ミアキスが生息していた新生代第三期の初め頃は森林が豊かでしたが、第三期の中期3000万年前頃になると、地球は寒冷化によりヨーロッパや北米の森林が減少し、草原地帯が広がっていきました。
そこでより地上生活に適応できる体を持ったキノデスムスが登場したと考えられています。

一方、森の中に残った小型肉食動物はネコ科の祖先になりました。

キノデスムスからトマークトゥスへ

およそ2300万~1600万年前に生息していたトマークトゥスは、大きさも見た目も現代のイヌやオオカミに相当近かったと考えられていて、長らくイヌの直系祖先とされてきました。
しかし、近年の研究では他の競争相手の出現によって、そうとも限らないという考えが定着しています。

トマークトゥスからタイリクオオカミへ

オオカミ

約700万年前になるとトマークトゥスからイヌ科11属に枝分かれします。
ちなみに現在の分類ではイヌ科は12属ですが、この時代はリカオンを除く11属に分かれていました。

そしてイヌ科11属の一つイヌ属からはさらに7種に枝分かれします。
その7種とは

  • アメリカアカオオカミ種
  • タイリクオオカミ種
  • コヨーテ種
  • ヨコスジジャッカル種
  • セグロジャッカル種
  • キシイロジャッカル種
  • アビシニアジャッカル種

で、そのうちタイリクオオカミ種からイエイヌへと進化しました。

タイリクオオカミはハハイロオオカミとも呼ばれていて、体長は100~160cm、体高は60~90cmです。
同じイヌ族のアメリカアカオオカミ、コヨーテ、アビシニアジャッカルとその亜種であるイエイヌとは相互に交配が可能です。

タイリクオオカミからイエイヌへ

犬が人に飼われるようになるまで

イエイヌは現代の私たちが一般的に犬と呼んでいる動物のことです。
イエとは「家畜化された」の意味です。

イエイヌはタイリクオオカミから枝分かれした30以上の亜種の一つで、南極大陸と海洋島の一部を除いて全世界に分布しています。

近年の研究によると‥

近年の研究ではミトコンドリアDNAの解析で「イエイヌは今から約13万5000年前にオオカミから派生した突然変異種」であることが判明しています。
イエイヌが最初に誕生した場所については、東アジア、中央アジア、中東アジア、ヨーッパなど諸説あります。

これによって従来有力説とされてきた「イエイヌはオオカミとジャッカルの混血である」という説は否定されました。
しかし、どちらにしても犬の祖先がオオカミであることは間違いないようです。

犬が人に飼われるようになったのは?

犬は人間に最初に家畜化された動物です。
犬と人間との歴史はとても長く、約40万~15万年前の旧石器時代の遺跡からは犬の祖先であるオオカミの骨が発掘されています。

そして、約3万5000~1万2000年前の人間が暮らしていた住居跡や洞窟からは犬の骨が見つかっていて、犬が人間と同じ墓に埋葬されているのも見つかっているため、この頃には人間に飼われていたことが窺えます。

犬が人間に家畜化されるきっかけは、オオカミが人間の残飯を狙い、人間の居住地近くで生活するようになり少しずつ人間に接近していったと考えられています。

石器時代や縄文時代の人間にとって動物は狩猟の対象、または自分たちを襲う敵でしたが、他の動物とは違いオオカミは人間に接触することに成功し、上手く人間の生活に入り込みことでやがて一緒に暮らすようになりました。

まとめ

イエイヌの最も古い祖先はおよそ5600万~3800万年前に生息していたミアキスという小型の肉食動物です。

ミアキスから進化したのがキノディクティスというミアキスと同じくらいの大きさの小型肉食動物で、およそ3720万~2840万年前に生息していました。

やがて地球環境の変化によって、森林が減少して草原地帯が広がるようになると、より地上生活に適応できる体を持ったキノデスムスへと進化します。
およそ2400万~2000万年前に生息し、体長は1メートル程ありました。

キノデスムスからはトマークトゥスへと進化します。
大きさも見た目もイヌやオオカミに相当近かったそうです。
そして約700万年前になるとイヌ科11属に枝分かれします。

このイヌ科11属の一つがイヌ属でさらに7種に枝分かれします。

その7種の一つがタイリクオオカミ種です。
タイリクオオカミがイエイヌに進化したのは約13万5000年前とされ、人間が暮らしていた住居跡や洞窟から発掘された犬の骨から、約3万5000~1万2000年前には人間に飼われるようになったことが分かっています。

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わんにゃんラボ編集部

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