コーギー

数ある犬種の中には耳や尻尾を切っている犬がいます。

どんな犬種だと思いますか?
パッと考えて思い浮かぶ犬種がありますか?

以外と多くの犬種で断尾、断耳が行われています。
なぜそんな事が行われているのでしょうか?

あまり知られていない断尾、断耳について紹介します。

※このお話をする前に、お断りしておきます。
世の中には断尾・断耳推奨派と反対派がおり、この記事を書いているのは「反対派の人間である」ということです。
世の中には色々な考え方をする方が居ます。
それが正しければ反対の説を唱える人は間違っているというわけではありません。
反対派の一意見として、頭の片隅に置いていただければ、と思います。

断尾、断耳をしている犬種

まず、断尾、断耳をしている犬種を紹介したいと思います。

  • アメリカンコッカースパニエル
  • エアデールテリア
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • オーストラリアンシェパード
  • オーストラリアンテリア
  • ボクサー
  • ブリタニー
  • ドーベルマン
  • イングリッシュスプリンガースパニエル
  • ブリュッセルグリフォン
  • ミニチュアピンシャー
  • ミニチュアシュナウザー
  • オールドイングリッシュシープドッグ
  • トイプードル
  • ヨークシャーテリア

まだまだ多くの犬種で断尾、断耳が行われていますが、主なものだけ挙げてみました。
どうでしょうか?あなたの愛犬は入ってましたか?

なぜ断尾、断耳をするの?

コーギー

税金対策

昔、ヨーロッパでは断尾が病気を予防し、背中の筋力を高め、けがを予防すると信じられており、犬の尻尾を切り落とすことが慣習となっていました。
また、イギリスにおいてはジョージ王朝時代にしっぽのついた犬について課税されたことから、節税対策として多くの犬が断尾の対象となっていました。

この税制が廃止されてもなぜか断尾の慣習だけが残っています。

予防医学

尻尾は肛門の近くにあるため、便が付きやすく不衛生になるという意味での断尾もあったようです。
また、猟をする犬が茂みや藪に入る時に大きく尻尾を振ると引っかかって怪我をする。
外的の熊や狼と戦う際、耳に噛みつかれ致命傷を負わないように。
ちょっとした怪我から細菌感染し、それが生命に関わってしまう時代では、断尾・断耳は立派な予防医学でした。

犬同士を闘わせる闘犬や、犬を熊や牛とと闘わせる見せ物用の犬なども、同じ理由で耳を切られていました。

また、断耳をすることで耳の中が蒸れて感染症を起こすのを防いだり、犬の聴覚が上がると信じられていることもあったようですが、この説に医学的根拠は無いとのことです。

美容目的

1,800年代になって、イギリスを中心に犬のあるべき姿を定めた犬種基準(スタンダード)が定着すると、断耳・断尾は本来の意味を失い、スタンダードという型にはめるためだけに断耳・断尾が行われるようになってきました。

一部のブリーダーの中では、いまだに断耳・断尾をすることにより、その犬種が完成すると信じられています。

断尾、断耳の方法

断耳
出典:www.emirates247.com

断耳

断耳の方法は、耳の軟骨が成長する前、生後7~12週で、全身麻酔をかけて行われます。
耳介の3分の2以上が切り取られ、切断面は縫い込まれたり、医療用接着剤で糊付けされたりします。

耳がピンと立つまで、添え木と共に包帯で固定されます。
包帯が取れるまで3~8週間はかかります。
また、手術後の出血や痛みのコントロールの為、入院が必要となる場合があります。
さらには感染症を防ぐため、1日数回消毒のためケアが必要となります。

古代では闘犬用の犬などで、耳を手で引きちぎるという野蛮な方法もありました。
その場合は、頭部に耳介がほとんど残らず、耳の穴が外に露出します。

断尾

断尾には二つの方法があります。

一つは主にブリーダーさんが使う方法で、生後間もないうちに輪ゴムや紐状のもので尻尾の付け根をきつく縛り、尻尾を壊死させる方法です。

もう一つは主に獣医さんが使う方法で、メスなどを使い外科的に切除する方法です。

プードルやボクサーなどは尾の中ほどで切断していますが、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの断尾においては、尻尾の付け根をえぐるように切除するため、傷口はより大きくなります。

これらの手術は麻酔なしで行われます。
生後間もない子犬は痛覚を感じない。という説が信じられているからです。
本当に生まれて間もない子犬は痛みを感じないのでしょうか?
一度でも断尾手術の映像をみたことがあれば、決してそうではないと感じることと思います。

気になる方はYouTubeで検索してみてください。
ただし、衝撃映像ですので、心臓の弱い方はお気をつけください。

断耳・断尾の影響

犬 仲良し

断尾・断耳をしている個体は、そうでない個体と比べ、攻撃的であったり運動能力に影響が出たりします。

具体的には、犬同士が挨拶をする際、耳や尻尾を動かし、それによって意志疎通をします。
断耳している犬は上手く耳を動かせませんし、そもそも尻尾がなければ意志疎通が難しく、相手の犬にとっては、なにを考えているかわからないやつだ!と敬遠されることがあります。
断耳・断尾している犬はそのことから他の犬との交流が減り、必然的に非社会的、かつ攻撃的になる可能性がある、と生物学者は語ります。

また、犬にとって尻尾は体のバランスをとる舵の役割をしています。
水中を泳ぐ姿を見るとよくわかりますが、手足を動かすと共に、尻尾をうまく使って方向転換しています。

また、失った体の一部になぜか痛みが起こる幻肢痛という現象が、犬にも起きるのではないかというおそれもあります。

断耳・断尾についての各国の対応

動物愛護の考えが浸透しているヨーロッパ諸国では法律で断耳・断尾禁止とされています。

アメリカの大学の獣医学部では、そもそも断耳・断尾の手術法を教えていないそうです。
ただしAKC(アメリカンケネルクラブ)では、断耳・断尾について容認の態度を示しています。
JKC(ジャパンケネルクラブ)でもAKC同様、容認の方向です。

動物愛護法の小動物医療の指針・第11項において

  • 断耳・断尾等の美容整形、あるいは声帯除去術、爪除去術は動物愛護・福祉の観点から好ましいことではない。
  • 獣医師は、動物愛護・福祉上の問題を含め、飼い主に十分説明し、安易に行わないことが望ましい。

とされています。
ですが、最終的に決定権は飼い主に委ねられます。

まとめ

だいぶ、断尾・断耳に否定的な意見ばかり書いてしまいましたが、想像してみてください。
ふっさふっさの尻尾で全身を使って感情表現するコーギーやプードルを見たくはありませんか?
垂耳のシュナウザーやドーベルマン、可愛いと思いませんか?

断耳・断尾絶対反対!とは言いませんが、多くの犬が本来の姿から歪められていることを知ってほしいです。

我が家には断尾をしていない、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークが居ます。
この子を散歩させていると、出会う方の反応は二つに分かれますね。

「あ、コーギー!尻尾切らなかったんですね」というものと
「あ、コーギー!‥の雑種ですか?」というものです。

後者の方はコーギーが生まれつき尻尾が無いと思ってる方ですね。

最近では、断耳・断尾していない犬も増えています。
そういった犬が本来の姿だという事を多くの人に知ってほしいです。

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わんにゃんラボ編集部

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