気まぐれな生き物である猫は「頭が悪い」と誤解されがちですが、本当はとても頭が良い動物です。
巷では犬の頭の良さについてよく話題になります。
確かに犬はとても賢い生き物ですが猫だって負けてはいません。
飼い主さんであれば猫の賢さについて気づいていると思いますが、さまざまな研究から猫の知能が高いことが分かっています。
そこで今回は、猫の頭の良さについて様々な視点から解説します。

あまり知られていないけど、猫ちゃんはとっても頭がいい動物ニャ☆
ワンちゃんにだって負けてないんだぞー!
脳化指数から分かる猫の知能レベル
動物の頭の良さを計る目安として「脳化指数」というものがあります。
これは体重に対して脳の重さがどれくらいあるのかというものを数値化したものです。
主な動物の脳化指数
脳化指数 | |
---|---|
ヒト |
7.4-7.8
|
バンドウイルカ |
5.3
|
チンパンジー |
2.2-2.5
|
カラス |
1.25
|
イヌ |
1.2
|
ネコ |
1.0
|
マウス |
0.5
|
ウサギ |
0.4
|
ニワトリ |
0.25
|
数字が大きいほど知能が高いことを示していますが、いかがでしょうか。
人間の脳化指数が最も優れているのは当然ですが、バンドウイルカやチンパンジーなど人間に近い知能を持つと言わる動物を除くと、猫の脳化指数は比較的優れていて、頭が良いと言われる犬と比べても大きな差がないことが分かります。

こうやって数字に表すと猫がどれだけ頭がいいのかがわかりやすいね!
さすがにチンパンジーには負けちゃうけど‥(笑)
猫と犬の習性の違いから見る頭の良さ
猫と犬とを比較した場合に、「犬は芸はできるが、猫は何もしないじゃないか」と言う方がいます。
確かに犬はよく芸をしますが、芸をする猫というのはあまり見かけません。
それどころか一日の大半を睡眠時間に当て、傍目には食っては寝てのグータラな生活を送っているように見える猫が頭が悪いと思われるのは仕方がないのかもしれません。
これには習性の違いが影響しています。
猫は単独で行動する生き物であり、リーダーに指示されることなく自分の考えで行動する賢さがなければ生きていくことができません。
ですから、優れた学習能力を持っています。
教えていないのにドアを開けたり、戸に手を突っ込んでこじ開けたりするのはそのためです。
これは猫が力任せに開けているのではなく、人間がどのようにして開けているのか観察してやり方を学習しているのです。
一方、犬は集団で生活していた生き物です。
群れのリーダーや先輩たちが「こうしなさい」と指示を受けて、その通りに教わって生きてきました。
そのため、しっかりとしつけをすれば飼い主さんの言うことを何でも聞いてくれますし、訓練を積むことで芸を覚えることもできます。
しかし、猫は飼い主さんが教えても芸をしようとはしません。
それは飼い主との関係が犬は上下の関係であるのに対して、猫は対等な関係と認識しているからですが、猫が自分の考えで行動する「自主性」を持っている証拠でもあります。

猫は自分の身は自分で守る必要があるから、頭が良くないと厳しい自然界では生きていけないんだニャ☆
猫の頭の良さはこんなところにも表れている!
優れた記憶力
よく猫は「3日で恩を忘れる」なんて言いますがそんなことはありません。
猫は記憶力も優れていると言われています。
猫の脳は人間と似た構造をしていて、学習や記憶力に大きく関係がある「大脳皮質」がとても発達しています。
記憶力には短い時間しか続かない「短期記憶」と、長期間覚えることができる「長期記憶」がありますが、短期記憶は人間よりも優れているという説もあり、2007年に発表された論文では猫の短期記憶は「10分以上」で、人間の20倍という驚きの内容でした。
では長期記憶はどうなのかと言うとこれも優れています。
今でこそ完全室内飼いの猫が多くなりましたが、昔は猫を自由に外出されている家庭が一般的でした。
さまざまな動物の中で毎日外出してもちゃんと家に戻ってくる動物は猫くらいのものです。
これは猫の長期的な記憶力が優れているからで、一度行った場所をしっかり覚えているためと言えるでしょう。
また動物病院での注射や薬の時間、さらには掃除機の音などその猫が怖い、嫌だと思った記憶をしっかりと忘れずに記憶していて、動物病院を見るだけで反射的に嫌がるのは長期的な記憶力が優れているからです。

記憶力が優れているゆえに、嫌な記憶も残りやすいから注意ニャ!
学習能力に長けている
猫はとにかく学習能力に優れています。
もちろん固体によって差があり、あまり学習しない猫もいれば積極的に何でも覚える賢い猫もいますが‥。
先述した通りこれには猫の自立心の高さと記憶力が大きく関係しています。
単独で生活する猫は自分の力だけでたくましく生きていかなければいけませんから、危険を素早く察知するために周囲の状況をしっかりと見る観察力が優れています。
そして観察したら学習するのです。
もしこの能力が弱いと、都会で暮らしている猫は車の危険を察知することができません。
しかし、多くの猫は車が近づくと反射的に避けたり隠れたりする行動を見せます。
これは車が危険なものだと素早く学習しているからです。
飼い猫をよく観察して見ましょう。
ドアや戸を開けたり、窓や網戸を動かして脱走しようとしたり、テーブルやキッチンの上の食べ物を見つけたりします。
中には水洗トイレのレバーを回して水を流す猫、開けた戸を自分で閉める賢い猫もいます。
教えていないのにこれだけさまざまなことを学習するのは、猫が頭の良い動物であることを示しています。

確かに教えてないのにドアの開け閉めができる猫ちゃんはたくさんいるニャ☆
人間の気持ちが分かる
「猫は人間の気持ちがちゃんと分かるんだよ」なんて言うと、昔は「そんなはずない」と反論されたものです。
しかし、近年では猫が人間の言葉や気持ちを理解していることを示す研究結果が発表されているのです。
オレゴン大学が発表した「猫の頭のなかはどんな感じ?」というタイトルの論文では、猫が人間の気持ちを理解することを示す内容でした。
これは同大学が過去に行った「猫と認知」に関する実験をまとめたものです。
この中で猫と人間の交流について調べた研究では、飼い主の感情によって猫が微妙に行動を変えることが分かったそうです。
さらに飼い主が落ち込んでいるときは、普段よりも飼い主に頭をこすりつける行動が多くなったそうです。
これは猫が人間の気持ちを察する能力がある証拠だと言えるでしょう。
ほかにも同論文では、2009年の実験で猫には2つの点と3つの点を区別する能力があり「猫は数を数えられる」と結論づけています。
より多くのエサを得るために猫は数を数える能力が進化したのだとか。
さらに5秒と20秒の違いを区別できたという研究結果もあり、猫には時間の感覚があることを窺わせています。
まとめ
こうして改めて見てみると、猫がどれほど頭のいい生き物かということがよくわかりますね。
毎日寝てばかりでグータラしているように見えますが、猫も本気になれば芸を覚えることも不可能ではないように思います。
実際に、猫が芸を披露している動画もたくさん見かけます。
普段から、猫の様子を観察してみると今までは気づかなかった新たな発見があるかもしれませんよ。

わんにゃんラボ編集部

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