「猫を飼っていると赤ちゃんの健康に悪影響がある」という話をよく耳にします。
実際に周囲から
「猫が居ると健康な赤ちゃんが生まれないよ」
「赤ちゃんがアレルギーになるから手放さないとダメよ!」
などと言われた方も居るそうです。
ただでさえ出産を控えてデリケートな時期に、猫と別れるように周囲から迫られたら‥猫が大好きな飼い主さんには大きなストレスになりますよね。
そこで赤ちゃんと猫は一緒に暮らしていけるのか、同居するときの注意点について解説します。

間違った情報に惑わされて大切な猫ちゃんを手放すなんてことのないように、しっかりと正しい知識を身につけよう!
赤ちゃんと猫は一緒に暮らせる?
猫が近くにいることで赤ちゃんの健康に悪影響があるのでは?と、つい心配になってしまいます。
確かに人間からすると猫は抜け毛も多く、いろいろな病原体を持っていそうで不衛生に感じるかもしれません。
しかし、完全室内飼いされている猫は外から病原体を持ってくることがないため、しっかりと飼い主さんがケアをしていれば基本的には衛生的です。
猫は自分で毛づくろいをする綺麗好きな生き物でもあります。
というわけで結論から言えば、いくつかの注意点さえ抑えておけば赤ちゃんと猫は何の問題もなく同居することができます。
もちろん猫を手放す必要なんてありませんし、出産と子育てという人生で重要なライフステージにおいて猫が身近にいることで良い影響のほうが大きいでしょう。

よほどのことがない限り、猫ちゃんと赤ちゃんの同居は何にも心配いらないニャ☆
猫と人間の赤ちゃんの同居することでの不安要素と解決策
トキソプラズマ症に感染しないか?
妊娠初期には必ず血液検査で「トキソプラズマ」に感染しているかどうかを調べます。
赤ちゃんと猫との同居で多くの方が心配しているのもこのトキソプラズマではないでしょうか。
トキソプラズマは寄生虫の中でも最も小さい原虫で、猫科の動物のほか、ほ乳類や人間、ヒツジ、ブタ、鳥類なども感染しやすい、人畜共通感染症の一つです。
世界的に見られる感染症でなんと世界人口の1/3が感染しているのだとか。
日本でも成人の約20~60%は既にトキソプラズマに感染したことがあると言われています。
さも怖い病気のように思えますが、私たちの体には免疫機能が備えているため健康な人であれば大きな問題はありません。
ただし、未感染の妊婦さんが初めてトキソプラズマに感染すると、胎盤から胎児にも感染して、流産や死産、新生児水頭症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
トキソプラズマ原虫の終宿主になる身近な動物は猫だけなのでよく悪者にされます。
でも感染源としては猫よりも生の肉類や土、ハエやゴキブリなどからのほうがずっと多いのです。
人間がトキソプラズマに感染する条件
猫の体に寄生しているからと言って人間に感染することは稀で、以下の条件が揃った場合のみです。
- 初感染の猫、または免疫力が低下していて再感染・再発症している猫
- 感染後、約1~数週間の間の糞便
- 排泄から24時間以上放置された糞便についているオーシスト(虫の卵のようなもの)を直接、口につけた場合)
解決策
猫からトキソプラズマ症に感染するのはかなり稀であることがお分かりいただけたでしょうか。
普通の家庭であれば猫のウンチを24時間以上放置することはありませんし、それを口につけるなんて考えられませんよね。
不安な方は猫のトイレ掃除の際に手袋を着用し、ウンチを早めに片付け、終わったら石鹸で手を綺麗に洗えば安心できます。
猫がいると赤ちゃんがアレルギーになる?
赤ちゃんと猫の同居に否定的な方の声で多いのが、「猫が近くにいると赤ちゃんがアレルギーになる」というものです。
確かに動物と同居している方とアレルギーを発症する方もいます。
しかし、近年の研究では幼い頃から動物が身近にいる子どもはアレルギーが発症しにくいことが分かっています。
猫アレルギーの方は猫のフケや唾液にアレルギー反応が起こりますが、アレルギーという症状は免疫反応の異常によって本来は無害である、花粉やホコリ、動物の毛などの物質を異物と判断して攻撃する症状です。
解決策
猫のフケや唾液に問題があるのではなく、免疫力の低下などで体の免疫機能が正常に働かないことが問題なのです。
アレルゲンは猫のフケや唾液だけではなく、ハウスダストや花粉など身近にたくさん存在します。
いくら掃除をこまめにしても、これらを全て排除することは困難ですから、体の免疫力を高めることで対処したいところです。
猫が赤ちゃんに嫉妬する?
「猫が赤ちゃんにヤキモチを焼いて、ちょっかいを出したらどうしよう?」と心配する方がいます。
実際のところははっきりとは分かっていませんが、単独で生活してきた猫は自主性が強く自分と他者を比較しないため、新しい家族に嫉妬することは考えにくいです。
もっとも猫は環境の変化を嫌う生き物ですから、突然増えた赤ちゃんという家族をすぐには受け入れられないかもしれません。
解決策
新しい家族が出来ることを事前に猫に認識させておくことで、猫の違和感をやわらげる方法があります。
猫は匂いで判断しますが、赤ちゃんや母乳には特有の匂いがあるため予め慣れさせておきます。
まず赤ちゃんに見立てた人形を用意してください。
次に赤ちゃんが使っていたタオルや母乳がついたタオルを用意します。
赤ちゃんのために用意したベビーベッドや寝具の中に、ニオイのついたタオルで包んだ人形を寝かせておきましょう。
猫が興味を示せば自由に匂いを嗅がせてあげてください。
こうして赤ちゃんが家にやってくる前に匂いに慣れさせておくのです。
人間の赤ちゃんと猫が一緒に過ごす際の注意点
赤ちゃんと猫の生活スペースを分ける
赤ちゃんを家に迎えてからは一定のルールを作り、必要なら別々の生活をさせる必要があります。
好奇心旺盛な猫の場合は赤ちゃんに「ちょっといたずらしてみよう」とちょっかいを出すことがあります。
抵抗することが出来ない赤ちゃんは引っかかれたりするかもしれません。
そこで赤ちゃんが過ごす部屋と猫が過ごす部屋を分けて、赤ちゃんが過ごす部屋に猫が出入りしないようにするか、出入りする場合は家族の目がある時間のみにしましょう。
ハイハイが始まると赤ちゃんは部屋中を動き回るようになります。
赤ちゃんは物を区別することができないため、猫のフード、猫砂やウンチに触ったり口に入れてしまうかもしれません。
そのときに猫のトイレや食事のある場所に赤ちゃんが入らないようにベビーフェンスなどを用意してください。
赤ちゃんと猫が一緒にいる時は目を離さないで!
赤ちゃんは手加減ができないため強い力で物を掴みます。
猫は尻尾を掴まれるのを嫌がりますが、赤ちゃんが猫の尻尾を思いっきり掴むと、猫は反射的に攻撃してしまうかもしれません。
赤ちゃんと猫が近くに居るときは目を離さないようにしてください。

お母さんの目が届かない状況では、なるべく赤ちゃんと猫が一緒にならない方が双方にとって安心できるニャ☆
猫がいることで赤ちゃんにも良い影響が!
赤ちゃんと猫の同居は、不安要素ばかりなわけではありません。
小さい頃から身近に動物が居ることで良い影響も与えます。
弱い者に対する優しさや思いやり、いたわりを自然に身につけることができます。
これは人間が教えてもなかなか感覚的に理解することが難しいことでもあります。
猫という人間よりも弱い動物が身近にいることで、「大事にしなければ」「守らなければ」という意識が芽生え、思いやりを持った優しい人間に育つことができるのです。
また猫の一生は人間と比べれば短く、赤ちゃんが大人になる前におそらく寿命を迎えるでしょう。
その最期に接することができれば、命というものについて触れる貴重な経験となります。
猫は「生きる」ということについて学習する良い教材でもあるのです。

猫が身近にいることで赤ちゃんにとっていい影響もたくさんあるニャ☆
マイナス面ばかりに目を向けないで!
まとめ
赤ちゃんと猫の同居については不安に思っている人も多いでしょう。
周囲から色々と忠告されることもあるかもしれません。
しかし、赤ちゃんも猫も大切な家族です。
間違った情報に惑わされずに、正しい知識を身につけて対応しましょう。
猫は、赤ちゃんに優しさや命の大切さを教えてくれる存在でもあります。
みんなが幸せに過ごせる環境を整えてあげて下さいね。

わんにゃんラボ編集部

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